MIGRATE_PAGES

Section: Linux Programmer's Manual (2)
Updated: 2019-03-06
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名前

migrate_pages - プロセスの全ページを別のノード集合に移動する  

書式

#include <numaif.h>

long migrate_pages(int pid, unsigned long maxnode,
                   const unsigned long *old_nodes,
                   const unsigned long *new_nodes);

-lnuma とリンクする。  

説明

MIGRATE_PAGES() は、メモリーノード old_nodes にあるプロセス pid の全ページを、メモリーノード new_nodes に移動しようとする。old_nodes で 指定されたメモリーノードに置かれていないページは移動されない。 カーネルは、 new_nodes への移動の際に、 old_nodes 内の相対的な トポロジー関係を可能な限り維持しようとする。

引数 old_nodesnew_nodes は、最大で maxnode ビットから 構成されるノード番号のビットマスクへのポインターである。 各ビットマスクは符号なし long 整数の配列として管理される (maxnode で指定された長さを越えた部分のビットは無視される)。 引数 maxnode は最大ノード番号であり、ビットマスクの長さに 1 を 加えた値となる (これは mbind(2) と同じだが、 select(2) とは違う)。

引数 pid は、移動を行うページの所有者のプロセス ID である。 別のプロセスのページを移動するには、呼び出したプロセスが特権 (CAP_SYS_NICE) を持っているか、呼び出したプロセスの実ユーザー ID か 実効ユーザー ID がページ移動の対象プロセスの実ユーザー ID か saved-set ユーザー ID と一致していなければならない。pid が 0 の場合、 migrate_pages() は呼び出したプロセスのページを移動する。

別のプロセスと共有しているページは、呼び出したプロセスが CAP_SYS_NICE 特権を持っている場合にのみ移動される。  

返り値

migrate_pages() は、移動できなかったページ数を返す (つまり、移動に成功した場合は返り値は 0 となる)。 エラーの場合、 -1 を返し、 errno にエラーを示す値を設定する。  

エラー

EFAULT
old_nodes/new_nodesmaxnode で指定されたメモリー領域の一部または全部が、 呼び出し元がアクセス可能なアドレス空間外を指している。
EINVAL
The value specified by maxnode exceeds a kernel-imposed limit. Or, old_nodes or new_nodes specifies one or more node IDs that are greater than the maximum supported node ID. Or, none of the node IDs specified by new_nodes are on-line and allowed by the process's current cpuset context, or none of the specified nodes contain memory.
EPERM
pid で指定されたプロセスのページを移動するのに必要な特権 (CAP_SYS_NICE) がなかった。または、指定された対象ノードにアクセス するのに必要な権限 (CAP_SYS_NICE) がなかった。
ESRCH
プロセス ID が pid のプロセスが見つからなかった。
 

バージョン

migrate_pages() システムコールは Linux 2.6.16 で初めて登場した。  

準拠

このシステムコールは Linux 固有である。  

注意

ライブラリによるサポートについては numa(7) を参照。

呼び出し元プロセスの CPU 集合で許可されているノード集合を取得するには、 MPOL_F_MEMS_ALLOWED フラグを付けて get_mempolicy(2) を使うこと。 この情報は、手動/自動に限らず CPU 集合の再構成によりいつでも 変更されることがある点に注意してほしい。

migrate_pages を使用すると、ページが置かれる場所 (ノード) が、指定 されたアドレスに対して設定されたメモリーポリシー (mbind(2) 参照) や 指定されたプロセスに対して設定されたメモリーポリシー (set_mempolicy(2) 参照) に違反する状況になる可能性がある。 すなわち、メモリーポリシーによる制約は migrate_pages() による移動先 ノードの選択には適用されないということである。

ヘッダーファイル <numaif.h> は glibc には含まれておらず、 libnuma-devel か同様のパッケージをインストールする必要がある。  

関連項目

get_mempolicy(2), mbind(2), set_mempolicy(2), numa(3), numa_maps(5), cpuset(7), numa(7), migratepages(8), numastat(8)

Linux カーネルソースの Documentation/vm/page_migration.rst  

この文書について

この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。


 

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