- anon_root
-
このオプションは、anonymous (匿名) ログイン後に変更する
ディレクトリ名を表す。
ディレクトリ変更の失敗は、静かに無視する。
デフォルト: (なし)
- banned_email_file
-
anonymous ユーザのパスワード (e-mail アドレス) のうち、
許可しないもののリストのファイル名を指定する。
オプション
deny_email_enable
が有効の場合にのみ、このファイルは参照される。
デフォルト: /etc/vsftpd.banned_emails
- banner_file
-
誰かがサーバに接続したときに表示するテキストを格納するファイル名
を指定する。
このオプションが設定された場合、
ftpd_banner
で指定される文字列よりも優先される。
デフォルト: (なし)
- chown_username
-
anonymous (匿名) でアップロードされたファイルの所有者となる
ユーザのユーザ名を指定する。
このオプションは、関連するもう一つのオプション
chown_uploads
が有効な場合にのみ意味を持つ。
デフォルト: root
- chroot_list_file
-
ホームディレクトリ内の choot() jail に入れられる
ローカルユーザのリストを示すファイル名を指定する。
このオプションは、
chroot_list_enable
が有効な場合にのみ意味を持つ。もし
chroot_local_user
が有効であれば、このリストは chroot() jail に入れられ*ない*
ユーザのリストになる。
デフォルト: /etc/vsftpd.chroot_list
- cmds_allowed
-
(ログイン後に)許可する FTP コマンドのリストを、コンマで区切って指定する
(USER, PASS, QUIT は、ログイン前なら常に許可する)。
指定しなかったコマンドは拒否する。
本当に FTP サーバを閉じ込めるのに強力な手段となる。
例: cmds_allowed=PASV,RETR,QUIT
デフォルト: (なし)
- deny_file
-
すべての手段でアクセスを許可しない、
ファイル名(やディレクトリ名)のパターンを指定する。
この影響をうけるファイル/ディレクトリを隠しはしないが、
それらに対するあらゆる試み
(ダウンロード、そのディレクトリへの変更、ディレクトリ内で何か影響するものなど)
を拒否する。
このオプションはとても単純なので、本格的なアクセス制御に用いるべきではない。
そのような場合には、まず先にファイルシステムのアクセス制御を用いること。
しかしながら、ある種の仮想ユーザの設定には便利である。
deny_file で指定した文字列を含むか、deny_file で指定した
正規表現にマッチする名前を持つものへのアクセスが拒否される。
vsftpd の正規表現のコードは単純な実装で、完全な正規表現の部分集合
になっているので、注意すること。
よって、このオプションの使用するときは、注意深く、
徹底的にテストする必要がある。
また、あらゆる重要なセキュリティティーポリシーに対し、
ファイルシステムのパーミッションを使用することを、
その偉大な信頼性から推奨する。
例: deny_file={*.mp3,*.mov,.private}
デフォルト: (なし)
- email_password_file
-
secure_email_list_enable
を設定したときの代替ファイルを設定する。
デフォルト: /etc/vsftpd.email_passwords
- ftp_username
-
anonymous FTP を取り扱うときに使用するユーザのユーザ名を指定する。
指定したユーザのホームディレクトリが anonymous FTP のルートとして
使用される。
デフォルト: ftp
- ftpd_banner
-
接続が最初に来たときに vsftpd が表示する挨拶メッセージを指定する。
デフォルト: (なし。vsftpd のデフォルトのバナーが表示される)
- guest_username
-
guest ログインの説明については、真偽値設定の
guest_enable
を参照して欲しい。
このオプションでは、guest ユーザが実際に割り当てられるユーザ名を指定する。
デフォルト: ftp
- hide_file
-
ディレクトリリストから隠すべきファイル名(やディレクトリ名)
のパターンを指定する。
ファイル / ディレクトリは隠されているが、
ファイル名を知っているクライアントからは自由にアクセス可能である。
hide_file で指定した文字列を含むか、hide_file で指定した
正規表現にマッチする名前を持つものが隠される。
vsftpd の正規表現のコードは単純な実装で、完全な正規表現の部分集合
になっているので、注意すること。
例: hide_file={*.mp3,.hidden,hide*,h?}
デフォルト: (なし)
- listen_address
-
スタンドアロンモードの場合に、listen するアドレスを指定する。
デフォルトは、すべてのローカルインタフェースである。
IP アドレスを(数値で)指定すること。
デフォルト: (なし)
- listen_address6
-
listen_address と同様だが、(listen_ipv6 が指定された場合に使用される)
IPv6 での接続を待つアドレスを指定する。
フォーマットは、標準的な IPv6 アドレスである。
デフォルト: (なし)
- local_root
-
ローカルログイン(すなわち、非 anonymous ログイン)の後に
変更するディレクトリを指定する。
ディレクトリ変更の失敗は、静かに無視する。
デフォルト: (なし)
- message_file
-
ユーザが新たなディレクトリに入った場合に
探すファイルの名前を指定する。
中身がリモートのユーザに表示される。
このオプションは
dirmessage_enable
オプションが有効の場合にのみ意味を持つ。
デフォルト: .message
- nopriv_user
-
特権を必要としなくなった場合に vsftpd が使用するユーザの
ユーザ名を指定する。
注意: nobody を使うのではなく、専用のユーザを使用すべきである。
多くのマシンでは、どちらかと言えば、むしろ多くの重要な事に
nobody ユーザが使われる。
デフォルト: nobody
- pam_service_name
-
vsftpd が使用する PAM サービス名を指定する。
デフォルト: ftp
- pasv_address
-
PASV コマンドへの応答において、vsftpd が伝える IP アドレスを指定する。
IP アドレスを(数値で)指定すること。
デフォルト: (なし。接続されたソケットからアドレスが決められる)
- secure_chroot_dir
-
このオプションは空のディレクトリの名前にすべきである。
また、そのディレクトリは ftp ユーザが書き込めてはいけない。
ここで指定するディレクトリは、
ファイルシステムへのアクセスが必要ないときに使用する、
安全な chroot() jail に使われる。
デフォルト: /usr/share/empty
- user_config_dir
-
この強力なオプションによって、
マニュアルページにあるいかなる設定オプションも
ユーザーごとに上書きすることができる。
使い方は簡単で、以下の例で示す。
user_config_dir
を
/etc/vsftpd_userr_conf
に設定し、ユーザ "chris" がログインした場合、
そのセッションの間
/etc/vsftpd_user_conf/chris
というファイルにある設定が適用される。
このファイルの書式は、
このマニュアルページにかかれているものと同じである。
ただし、すべての設定がユーザーごとに効果があるわけではないことに
注意してほしい。
例えば、多くの設定はユーザーのセッションが開始される前に使用される。
設定例の中で、ユーザーごとの動作に影響しないものには、
listen_address, banner_file, max_per_ip, max_clients,
xferlog_file などが含まれる。
デフォルト: (なし)
- user_sub_token
-
このオプションは、仮想ユーザーと組み合わせるときに便利である。
テンプレートを元に、各仮想ユーザーのホームディレクトリを自動的に生成するのに使用する。
例えば、
guest_username
によって実ユーザーのホームディレクトリが
/home/virtual/$USER
に設定されていて、
user_sub_token
が
$USER
に設定されていれば、仮想ユーザー fred がログインすると、最終的に
(通常は chroot() されて)
/home/virtual/fred
ディレクトリに移動される。
このオプションは、
local_root
が
user_sub_token
を含んでいる場合にも効果がある。
デフォルト: (なし)
- userlist_file
-
userlist_enable
オプションが有効な場合に読み込まれるファイルの
ファイル名を指定する。
デフォルト: /etc/vsftpd.user_list
- vsftpd_log_file
-
vsftpd スタイルの転送ログを記録するファイルのファイル名を指定する。
xferlog_enable
が設定されていて、かつ
xferlog_std_format
が設定されていない場合にのみ、このログは記録される。
もしくは
dual_log_enable
オプションを設定すれば記録される。
もう一つさらに複雑なこととして、
syslog_enable
を設定した場合にはファイルには出力されず、出力は
システムログへと送られる。
デフォルト: /var/log/vsftpd.log
- xferlog_file
-
wu-ftpd スタイルの転送ログを記録するファイルのファイル名を指定する。
転送ログは
xferlog_enable
と
xferlog_std_format
が設定されている場合にのみ記録される。
もしくは
dual_log_enable
オプションを設定すれば記録される。
デフォルト: /var/log/xfer.log