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.TH MODPROBE 8 "08 May 2005" "" ""
.SH 名前
modprobe \- Linux カーネルにモジュールを追加したり削除したりするプログラム
.SH 書式
\fBmodprobe\fP [ \fB\-v\fP ] [ \fB\-V\fP ] [ \fB\-C \fP\fIconfig\-file\fP ] [ \fB\-n\fP ] [ \fB\-i\fP ]
[ \fB\-q\fP ] [ \fB\-o \fP\fImodulename\fP ] [ \fImodulename\fP ] [ \fImodule parameters\fP\fI
\&...\fP ]
\fBmodprobe\fP [ \fB\-r\fP ] [ \fB\-v\fP ] [ \fB\-n\fP ] [ \fB\-i\fP ] [ \fImodulename\fP\fI ...\fP ]
\fBmodprobe\fP [ \fB\-l\fP ] [ \fB\-t \fP\fIdirname\fP ] [ \fIwildcard\fP ]
\fBmodprobe\fP [ \fB\-c\fP ]
.SH このマニュアルについて
.PP
これは、module-init-tools
パッケージに所属するユーティリティのマニュアルです。module-init-tools
は、現在では kmod パッケージに引き継がれているので、kmod
パッケージの同名のユーティリティのマニュアルをご覧になることをお勧めします。
(2022/12/02, Linux JM Project)
.SH 説明
.PP
\fBmodprobe\fP は Linux カーネルに賢くモジュールを追加したり削除したりする。 利便性のため、モジュール名において _ と \-
の違いはないことに注意。 \fBmodprobe\fP は、 全てのモジュールと他のファイルを モジュールディレクトリ
\fI/lib/modules/`uname \-r`\fP から参照する。 このほかに、もしあれば \fI/etc/modprobe.conf\fP 設定ファイルと
\fI/etc/modprobe.d\fP ディレクトリを参照する (\fBmodprobe.conf\fP(5) を参照) 。
.PP
このバージョンの \fBmodprobe\fP は、 自身ではモジュールに対して何もしないことに注意。
シンボルの解決やパラメータの解釈といった処理はカーネルの中で行なわれる。 そのため、モジュールの不具合はカーネルのメッセージとして報告されることもある。
\fBdmesg\fP(8) を参照。
.PP
\fBmodprobe\fP を実行するときは、 \fBdepmod\fP (\fBdepmod\fP(8) を参照) で生成された \fImodules.dep\fP
が最新の状態になっていなければならない。 このファイルには、 それぞれのモジュールが (もしあれば) 他のどのモジュールを
必要としているかが列挙されていて、 \fBmodprobe\fP はこれを使って依存するモジュールを自動的に追加したり削除したりする。
(\fBmodules.dep\fP(5) を参照) 。
.PP
\fImodulename\fP の後ろに指定された引数は、 カーネルに渡される (設定ファイルに列挙されたオプションに追加される) 。
.SH オプション
.TP
\fB\-v \-\-verbose \fP
プログラムが何をしているかに関するメッセージを表示する。 通常、 \fBmodprobe\fP は何かまずいことが起こった場合に限って メッセージを表示する。
このオプションは \fBinstall\fP および \fBremove\fP コマンドを通じて、 MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある
\fBmodprobe\fP の他のコマンドに渡される。
.TP
\fB\-C \-\-config \fP
このオプションはデフォルトの設定ファイル (\fI/etc/modprobe.conf\fP や \fI/etc/modprobe.d/\fP) を無視する。
このオプションは \fBinstall\fP および \fBremove\fP コマンドを通じて、 MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある
\fBmodprobe\fP の他のコマンドに渡される。
.TP
\fB\-c \-\-showconfig \fP
設定ファイルの内容を表示し、終了する。
.TP
\fB\-n \-\-dry\-run \fP
このオプションは実際にモジュールを登録したり削除したりする (あるいは install や remove コマンドを実行する) 以外の、
全ての処理を行なう。 \fB\-v\fP と組み合わせて使うと、不具合をデバッグするのに便利である。
.TP
\fB\-i \-\-ignore\-install \-\-ignore\-remove \fP
このオプションを使うと、 \fBmodprobe\fP は コマンドラインで指定されたモジュールに対する 設定ファイル中の \fBinstall\fP および
\fBremove\fP コマンドを (もしあれば) 無視する (ただし、依存するモジュールは設定ファイル中のコマンドに従う) 。
\fBmodprobe.conf\fP(5) を参照。
.TP
\fB\-q \-\-quiet \fP
通常、 \fBmodprobe\fP は 見つからない (かつエイリアスでもないか \fBinstall\fP/\fBremove\fP コマンドでもない) モジュールを
削除したり登録したりしようとすると、エラーを通知する。 このフラグを使うと、 \fBmodprobe\fP は でたらめな名前は単に無視する
(カーネルはこの名前を使って 存在するかもしれないモジュールを日和見的にプローブする) 。
.TP
\fB\-r \-\-remove \fP
このオプションで \fBmodprobe\fP は モジュールを削除する。 このオプションがない場合は登録する。 依存するモジュールも使われていない場合、
\fBmodprobe\fP はそれらも削除しようとする。 登録とは異なり、複数のモジュールをコマンドラインで指定することができる
(モジュールを削除するときにモジュールパラメータを指定するのは意味がない) 。
通常は、モジュールを削除する理由などないが、 不具合のあるモジュールには必要である。 使っているカーネルがモジュールの削除に対応していないかもしれない。
.TP
\fB\-V \-\-version \fP
プログラムのバージョンを表示し、終了する。
古いカーネルで実行する場合の注意については下を参照。
.TP
\fB\-f \-\-force \fP
モジュールからバージョンに関する情報を取り除こうとする (そうしないとロードできないモジュールに対して) 。 このオプションは
\fB\-\-force\-vermagic\fP と \fB\-\-force\-modversion\fP オプションの 両方を使ったのと同じである。 当然のことながら、
これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、 このオプションを使うのは危険である。
このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。 つまり、 コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、
依存するモジュールにも有効である。
.TP
\fB\-\-force\-vermagic \fP
どのモジュールにも、 カーネルやコンパイラのバージョンといった、 重要な情報を持つ短い文字列がある。 モジュールがロードに失敗し、カーネルが
"version magic" が 一致しないと文句を言う場合、このオプションを使って "version magic" を削除することができる。
当然のことながら、 これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、 このオプションを使うのは危険である。
このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。 つまり、 コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、
依存するモジュールにも有効である。
.TP
\fB\-\-force\-modversion \fP
モジュールが CONFIG_MODVERSIONS をセットして コンパイルされている場合、 モジュールが使っている (または提供する)
ひとつひとつのインタフェースのバージョンを記したセクションが生成される。 モジュールがロードに失敗し、
カーネルがインタフェースのバージョンの一致しないものがあると文句を言う場合、 "\-\-force\-modversion"
を使ってバージョン情報をばっさり削除することができる。 当然のことながら、 これらのチェックはあなたを守るために存在するのであって、
このオプションを使うのは危険である。
このオプションは登録されるすべてのモジュールに適用される。 つまり、 コマンドラインで指定したモジュール (またはエイリアス) だけでなく、
依存するモジュールにも有効である。
.TP
\fB\-l \-\-list \fP
指定されたワイルドカード (あるいはワイルドカードが指定されない場合 "*") に一致する すべてのモジュールを列挙する。
このオプションは下位互換性のために用意されている。 もっと柔軟性のある代替品として、 \fBfind\fP(1) や \fBbasename\fP(1) を参照。
.TP
\fB\-a \-\-all \fP
指定されたワイルドカードに一致する全てのモジュールを登録する。 このオプションは下位互換性のために用意されている。 もっと柔軟性のある代替品として、
\fBfind\fP(1) や \fBbasename\fP(1) を参照。
.TP
\fB\-t \-\-type \fP
\fB\-l\fP を 指定された \fIdirname\fP に一致するディレクトリにあるモジュールに限定する。 このオプションは下位互換性のために用意されている。
もっと柔軟性のある代替品として、 \fBfind\fP(1) や \fBbasename\fP(1) を参照。
.TP
\fB\-s \-\-syslog \fP
このオプションを使うと、 すべてのエラーメッセージが syslog の仕組みで (LOG_NOTICE というレベルの LOG_DAEMON として)
通知されるようになる。 このオプションがない場合は標準エラーに出力される。 このオプションは標準エラーが使えない場合、自動的に有効になる。
このオプションは \fBinstall\fP および \fBremove\fP コマンドを通じて、 MODPROBE_OPTIONS 環境変数にある
\fBmodprobe\fP の他のコマンドに渡される。
.TP
\fB\-\-set\-version \fP
カーネルバージョンを設定する。 このオプションがない場合、 カーネルバージョン (モジュールを検索する場所を表す) を 決定するために
\fBuname\fP(2) が使われる。 このオプションは下位互換性のチェックも無効にする (そのため \fBmodprobe.old\fP(8)
は一切実行されない) 。
.TP
\fB\-\-show\-depends \fP
モジュール (またはエイリアス) の依存関係を列挙する。 モジュール自身も含まれる。 このオプションは モジュールのファイル名の集合 (空の場合もある)
を生成する。 1 行に 1 個のモジュールが表示され、先頭に "insmod" が付く。 install コマンドが適用される場合、先頭に
"install" が付く。 install コマンドは一切実行しない。 \fBmodinfo\fP(8) を使えば
モジュール自身からモジュールの依存関係を取り出すことができるが、 エイリアスや install コマンドについては全く分からないことに注意。
.TP
\fB\-o \-\-name \fP
このオプションはカーネルに登録されるモジュールの名前を変更しようとする。 テスト用のモジュールには複数回登録することのできるものがあり便利だが、
カーネルは同じ名前のモジュールが 2 個あると拒否する。 通常、モジュールを複数回登録する必要はないはずである。
なぜならモジュールに対応していない場合に役に立たないからである。
.TP
\fB\-\-first\-time \fP
通常、 \fBmodprobe\fP は すでに存在するモジュールを登録しようとした場合や 存在しないモジュールを削除しようとした場合にも 成功する
(そして何もしない) 。 この振る舞いは modutils と下位互換性があり、 単純なスクリプトにとっては望ましい。
しかし、もっと複雑なスクリプトでは \fBmodprobe\fP が実際に何かをしたかどうかを知りたくなることも多い。 このオプションは上のような場合、
modprobe が失敗するようにする。
.SH 下位互換性
.PP
このバージョンの \fBmodprobe\fP は、 カーネル \fB2.5.48\fP およびそれ以降のためのものである。
古い形式のモジュールに対応したカーネルを検出すると (そのためのほとんどの処理はユーザ空間で行なわれる) 、 その場で \fBmodprobe.old\fP
を実行しようとする。 そのため、ユーザは全く意識しなくてよい。
.SH 環境変数
.PP
MODPROBE_OPTIONS 環境変数も \fBmodprobe\fP に引数を渡すのに使うことができる。
.SH 著作権
.PP
このマニュアルページの著作権表示は Copyright 2002, Rusty Russell, IBM Corporation.
.SH 関連項目
.PP
\fBmodprobe.conf\fP(5), \fBlsmod\fP(8), \fBmodprobe.old\fP(8)