PTHREAD_ATTR_SETGUARDSIZE
Section: Linux Programmer's Manual (3)
Updated: 2020-06-09
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名前
pthread_attr_setguardsize, pthread_attr_getguardsize -
スレッド属性オブジェクトの guard size 属性の設定/取得を行う
書式
#include <pthread.h>
int pthread_attr_setguardsize(pthread_attr_t *attr, size_t guardsize);
int pthread_attr_getguardsize(const pthread_attr_t *attr,
size_t *guardsize);
-pthread でコンパイルしてリンクする。
説明
pthread_attr_setguardsize() 関数は、
attr が参照するスレッド属性オブジェクトの guard size 属性を
guardsize で指定された値に設定する。
guardsize が 0 より大きい場合、
attr を使って新しく作成された各スレッドに対して、
システムはスレッドのスタックの末尾に少なくとも guardsize バイトの
追加領域を割り当てる。この追加領域はスタックに対するガード領域として
機能する (ただし「バグ」の節も参照)。
guardsize が 0 の場合、
attr を使って新しく作成されたスレッドはガード領域を持たない。
デフォルトの guard size はシステムのページサイズと同じである。
(pthread_attr_setstack(3) や pthread_attr_setstackaddr(3)を使って)
attr でスタックアドレス属性が設定されている場合には、呼び出し側がそ
のスレッドのスタックを割り当てていることを意味するので、guard size 属性
は無視される (すなわち、システムによるガード領域の作成は行われない)。
この場合、スタックオーバーフローが起こらないように対処するのはアプリ
ケーション側の責任となる (おそらく mprotect(2) を使って、割り当て
られたスタックの最後に手動でガード領域を定義することになるだろう)。
pthread_attr_getguardsize() は、
スレッド属性オブジェクト attr の guard size 属性を
guardsize が指すバッファーに入れて返す。
返り値
成功すると、これらの関数は 0 を返す。
エラーの場合、0 以外のエラー番号を返す。
エラー
POSIX.1 では、エラー EINVAL が
attr か guardsize が無効な場合に対して規定されている。
Linux では、これらの関数は常に成功する
(ただし、移植性や将来も動作することを保証したいアプリケーションでは
正のエラーの返り値を処理するようにすべきである)。
バージョン
これらの関数は glibc バージョン 2.1 以降で提供されている。
属性
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。
インターフェース | 属性 | 値
|
pthread_attr_setguardsize(),
pthread_attr_getguardsize()
| Thread safety | MT-Safe
|
準拠
POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.
注意
ガード領域は、読み出し/書き込みアクセスが行われないように保護がかけ
られた仮想メモリーページで構成で構成される。スレッドがスタックをガード
領域までオーバーフローさせた場合、ほとんどのハードウェアアーキテクチャー
では、スレッドに SIGSEGV シグナルが送られ、オーバーフローが発生した
ことが通知される。ガード領域はページ境界から開始され、ガード領域の
大きさはスレッド作成時に内部的にシステムのページサイズに切り上げられる
(その場合も pthread_attr_getguardsize() では
pthread_attr_setguardsize() で設定された guard size が返される)。
多くのスレッドを作成するアプリケーションで、かつ、スタックオーバーフロー
が決して発生しないことが分かっている場合には、guard size を 0 に設定
することで、メモリーを節約できることもある。
スレッドがスタックに大きなデータ構造を割り当てる場合には、
スタックオーバーフローを検出するためには、デフォルトサイズよりも
大きな guard size を選ぶ必要があるかもしれない。
バグ
glibc 2.8 の時点では、 NPTL スレッド実装ではガード領域はスタックサイズ
で割り当てられる領域の中に含まれている。一方、POSIX.1 では、スタックの
末尾に追加の領域を割り当てることが求められている。
(このため、ガード領域が大きすぎて、
実際のスタック用の場所がなくなってしまう場合、
pthread_create(3) で EINVAL エラーが発生することになる。)
廃止予定の LinuxThreads 実装では、
POSIX.1 で求められている通りの動作で、
ガード領域がスタックの末尾に追加の領域が割り当てられる。
例
pthread_getattr_np(3) を参照。
関連項目
mmap(2), mprotect(2), pthread_attr_init(3),
pthread_attr_setstack(3), pthread_attr_setstacksize(3),
pthread_create(3), pthreads(7)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告に関する情報は
https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。
Index
- 名前
-
- 書式
-
- 説明
-
- 返り値
-
- エラー
-
- バージョン
-
- 属性
-
- 準拠
-
- 注意
-
- バグ
-
- 例
-
- 関連項目
-
- この文書について
-
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Time: 03:33:32 GMT, December 05, 2022