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9.1 tr: 文字の置換、圧縮、削除を行う

書式:

 
tr [option]… set1 [set2]

tr は標準入力を標準出力にコピーするが、 その際に次の操作の一つを行う。

上記書式の set1 と (もし、指定しているなら) set2 の二つの引数には、 順序が意味を持つ文字の集合を指定する。以下の説明で、それぞれ set1set2 と呼ばれることになるそうした文字集合こそ、入力中に存在する文字のうちで tr が操作の対象とする文字群である。‘--complement’ (‘-c’, ‘-C’) オプションを指定すると、set1 の代わりにその補集合 (set1 に含まれないすべての文字) が使われることになる。

現在のところ、tr が完全に対応しているのは、シングルバイト文字だけである。 将来は、マルチバイト文字もサポートすることになるだろうが、 そのときは、‘-C’ オプションで文字集合の補集合を作り、‘-c’ オプションで値 (訳注: いわゆる文字コード) の集合の補集合を作ることになるだろう。 この区別が意味を持つのは、指定する値の中に文字ではないものがあるときだけだが、 そういった事態は、マルチバイト・エンコーディングを使用しているロケールで、 入力にエンコーディング・エラーが含まれるときしか起きそうにない。

このプログラムでは、‘--help’ や ‘--version’ オプションも使える。 See section 共通オプション. なお、オプションは、オペランドの前で指定しなければならない。

終了ステータス 0 は成功を示し、0 以外の値は失敗を示す。


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