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2.2 バックアップ・オプション

GNU のプログラムの中には、ファイルの新しいバージョンを書き出す前に、 もしそうしたければ、バックアップを作成できるものがある (少なくとも cp, install, ln, mv がそうだ)。下記のオプションは、そうしたバックアップを細かく制御する。 こうしたオプションについては、個々のプログラムの説明でも簡単に触れている。

-b
--backup[=method]

通常では上書きされたり、消去されたりする各ファイルのバックアップを作成する。 このオプションを指定しないと、元のバージョンは破棄されるわけだ。 作成するバックアップのタイプを決めるには、method を使用する。 method を指定せずに、このオプションを使った場合は、環境変数 VERSION_CONTROL の値が使用される。VERSION_CONTROL が設定されていない場合、デフォルトのバックアップタイプは ‘existing’ である。

このオプションの短縮形である ‘-b’ は、引数を取らないことに注意していただきたい。 ‘-b’ の使用は、‘--backup=existing’ を使用するのと同じことである。

このオプションは、Emacs の ‘version-control’ 変数に対応している。 すなわち、method に指定する値は、Emacs で使用される値と同じものである。 とは言え、このオプションでは、より説明的な名前も使用できる。 method の有効な値は、以下のものである (他と区別できるならば、省略した表現も使用できる)。

none
off

バックアップを作成しない。

numbered
t

どんな場合でも番号付きのバックアップを作成する。

existing
nil

番号付きのバックアップがすでに存在する場合は番号付きで、それ以外の場合は単純形式で、ファイルのバックアップを作成する。 (訳注: 単純形式というのは、バックアップファイル名に番号を付けない形式である。 ‘--suffix=suffix’ の説明を参照。)

simple
never

どんな場合でも単純形式のバックアップを作成する。‘never’ と ‘none’ を混同なさらないようにしていただきたい。

-S suffix
--suffix=suffix

-b’ で作成される各バックアップファイルの名前の末尾に suffix を付ける。このオプションが指定されていない場合は、環境変数 SIMPLE_BACKUP_SUFFIX の値が使用される。SIMPLE_BACKUP_SUFFIX が設定されていない場合、デフォルトの suffix は Emacs の場合と同じで、チルダ ‘~’ である。


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