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19.2 stty: 端末の諸特性を表示・変更する

stty は、たとえばボーレート (baud rate) のような、端末の諸特性を表示、 または変更する。

書式:

 
stty [option] [setting]…
stty [option]

tty ラインの設定 (訳注: 上記書式の setting) を一つも指定しない場合、 stty は、ボーレートと (それをサポートしているシステムでは) ライン制御規則番号 (line discipline number)、それに、ライン設定のうち ‘stty sane’ によって設定される値から変更のあるものを表示する。 デフォルトでは、モードの取得や設定は、標準入力に結びついている tty ラインに対して行うが、 これは ‘--file’ オプションによって変更することができる。

stty では、以下で述べるように、オプションではないたくさんの引数が使える。 そうした引数は、端末ライン運用の様々な面を変更する。

このプログラムでは以下のオプションが使用できる。参照: 共通オプション.

-a
--all

現在のすべての設定を人間に読みやすい形で表示する。 このオプションを指定したときには、ラインの設定はできない。

-F device
--file=device

標準入力に結びついている tty ラインを操作の対象にする代わりに、 device で指定されたファイル名を使ってオープンするラインを操作の対象にする。 このオプションが必要なのは、POSIX 準拠の tty をオープンするには、 O_NONDELAY フラグを使う必要があるからだ。 そうしないと、POSIX 準拠の tty は、clocal フラグがセットされていない場合に、 キャリア検出線 (carrier detect line) が活発化するまで、ブロッキングを起こす。 そんなわけで、デバイスのオープンは、いつも通りのやり方で (訳注: たとえば、‘stty < /dev/ttyS1’ といった形で) シェルにやらせておけばよい、というわけには必ずしも行かないのである。

-g
--save

現在の設定を別の stty コマンドを使って再現する際に、 その引数として使えるような形で、現在のすべての設定を表示する。 このオプションを指定したときには、ラインの設定はできない。

設定の多くは、前に ‘-’ を付けることで OFF にすることができる。 以下では、そうした引数については、説明中に「無効化できる」と記しておいた。 説明そのものは、有効にする場合について、すなわち、‘-’ で OFF にしない場合について述べている (「無効にした場合」とはっきりことわっている場合は、もちろん別である)。

設定の中には、すべての POSIX 準拠システムで利用できるとはかぎらないものもある。 そうしたものは、拡張機能を使用しているからだ。 以下では、そうした引数については、説明中に「非 POSIX」と記しておいた。 非 POSIX のシステムであっても、そうした設定が使えないことがあるかもしれないが、 あらゆる場合について書いておくことは、不可能である。とりあえず、試してみていただきたい。

stty がインストールされるのは、POSIX ターミナルインターフェースを備えたシステムだけである。 従って、移植を考慮したスクリプトでは、非 POSIX システムに stty コマンドが存在することを当てにしない方がよい。

終了ステータス 0 は成功を示し、0 以外の値は失敗を示す。


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